テーマ 139 どんな時代でも”お客様のことを知り、継続的な改善を行う”
■世の中の動きを自分なりに意味づけし、対応する力を磨く
ドラッカー著「経営者の条件」の中に下記のような記述があります。
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人は組織内部のことは詳細に把握できるし、
データも豊富なので、定量的に分析して意思決定しようとする。
しかし、本当に大切なのは内部ではなく、
外部環境、しかもその「変化」である。
組織にとって重要な意味を持つ外部の変化は、
多くの場合、定量化できないし、
過去からの延長線上で論理的に説明できるものでもないので、
知覚するしかない。
組織に働く者は、必然的に組織の中で仕事をする。
したがって、意識的に外の世界を知覚すべく努力しなければ、
やがて内部の圧力によって外の世界が見えなくなる。
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外部の環境は、多様なものがあり、
それをきちんと分析して捉えるということは
だれにとっても難しい問題です。
実務的には、まず自分の仕事を中心として、
世の中で起きていることが、
自分の仕事にどのような影響を与えるのかを、
自分なりの理屈で組み立ててみることが重要です。
そして、今後も継続して売上や利益を伸ばしていくためには
どうしなければならないのかを、考えなければなりません。
自分が考えた今後の計画を部下に話すときは、
世の中で起きていることの意味合いを話し、
なぜ、この計画が必要なのかを説明し納得してもらい
協力してもらわなければなりません。
今後の仕事の中で重要な位置を占めてくる
AIにないものは人間の持つ
「創造する力、共感してもらう力」ともいえます。
このような
「人間でしかできない創造する力、共感してもらう力」
は仕事や読書や人との交流などで磨いていくしかありません。
ドラッカーの言葉にあるように、管理職者には、今後ますます、
「意識的に外の世界を知覚し
自分なりに意味づけし、対応していく力」
が求められます。
■顧客を創造する、
新しい現実(新しいお客様、新たな売上・利益)をつくる
ドラッカーは、現代の経営において
「顧客の創造」が企業の目的であり、
顧客を創造するためには
「マーケティング」と「イノベーション」が必要といっています。
「マーケティング」は「お客様のことを知る」ということになります。
ドラッカーは、著書「マネジメント(エッセンシャル版)」のなかで
「マーケティングの理想は、
販売を不要にすることである」と述べています。
つまり、お客様の要望にぴったりあったものを提供すると、
営業や宣伝をしなくても自然に売れるということです。
また、ドラッカー著「明日を支配するもの」
のなかに下記のような記述があります。
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継続的改善は、積み重ねによって、
活動のすべてを根本的に変える。
製品のイノベーションをもたらし、
サービスのイノベーションをもたらす。
プロセスの刷新をもたらし、事業の刷新をもたらす。
やがて、すべてを根本的に変える。
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新しい現実(新しいお客様、新たな売上・利益)をつくるのは、
いつの時代にも管理職者に求められる仕事となります。
そのためには、常日頃からお客様の情報を集める、
業界の動きを知る、最新の技術を知るなど常に、
今の状況を把握しておかなければなりません。
そして、お客様の要望に応えるにはどうしたらよいのかを考え、
小さくてもよいので、
日々継続的な改善を行っていくことが重要となります。
日々の改善の積み重ねが、「イノベーション」を生み出します。
■毎日の「小さな成果の積み重ね」が3年後、5年後、10年後
大きな違いとなる
仕事は突然大きな成果を獲得できるという
ウルトラCはまずありえません。
1度うまくいったとしても、
その後それが継続することもまずありません。
チーム員全員が、毎日の行動の基礎となる、
「仕事に対する正しい考え方」をきちんと把握し、
目標達成のための、
「小さなアイデアの積み重ね」、
「小さな成果の積み重ね」
を繰り返すことが重要です。
チーム員が常に日々、考え、行動し、
トライアンドエラーを繰り返し、
「小さな成果を積み重ねる」ことが、
3年後、5年後、10年後大きな違いとなります。
「小さな成果の積み重ね」が、無限の可能性を生み出します。
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